中学歴史で習う天平文化について定期テストで出題されそうなポイントをまとめています。
天平文化は、奈良時代の文化で聖武天皇の頃(8世紀初め)に最も栄えたので、このときの年号から天平文化と呼ばれています。
7世紀の飛鳥文化と同様に仏教を中心とした文化で、中国大陸だけでなく西アジアや南アジアの影響もうけた国際色豊かな文化となっています。奈良時代に数回にわたり派遣された遣唐使が持ち帰ったものが天平文化に影響を与えたことが特徴です。
遣唐使を廃止したことで日本独自の発展を遂げることになったのが天平文化の後の国風文化の特徴となります。
奈良時代の天平年間(729年から749年)に栄えた文化。
710年 | 平城京遷都 |
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712年 | 古事記 |
713年 | 風土記 |
720年 | 日本書紀 |
723年 | 三世一身の法 |
729年 | 長屋王の変 |
741年 | 国分寺建立の詔 |
743年 | 大仏造立の詔 |
743年 | 墾田永年私財法 |
794年 | 平安京遷都 |
仏教中心という特徴は天平文化の前の飛鳥文化と共通する特徴ですが、遣唐使などの影響で国際色が豊かになったのが飛鳥文化との違いです。
天平文化は日本という国が出来上がるときの文化ともいえます。聖武天皇は各地に国分寺・国分尼寺を建て、奈良には東大寺の大仏を建立することで政治の安定を目指しました。
当時は大地震や天然痘の流行などで社会不安が広がっていたため、聖武天皇は仏教の力で国を護ってもらおうと国分寺・国分尼寺や東大寺の大仏を建立しました。
また、日本という国の由来をあきらかにするために「古事記」と「日本書紀」の歴史書がつくられたのもこの時代です。
ちなみに、古事記と日本書紀では「キ」の字が異なります。古事「記」と日本書「紀」です。記述が多い定期テストでは間違えないようにしましょう。
作品(建造物) | 特徴 |
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東大寺大仏 | 聖武天皇が建立。 |
正倉院 | 東大寺の倉庫で聖武天皇が使用していたものなどが収められている。 |
古事記 | 歴史書。神話、伝承なども含まれる。 |
日本書紀 | 歴史書。中国の歴史書の体裁で書かれている。 |
風土記 | 各地の産物や自然、伝承などを記したもの。 |
万葉集 | 約4500首の和歌。天皇から庶民の歌までが収められている。 |
貧窮問答歌 | 山上憶良によるもの。庶民の苦しい暮らしを詠んだもの。 |
正倉院には遣唐使が中国から持ち帰ったとされる当時の品々が残されています。
古事記は712年に完成した日本最古の歴史書で神話の時代から推古天皇の時代までが記されています。江戸時代に、この古事記を研究したのが本居宣長で、「古事記伝」を記し、国学を完成しました。(こちらも定期テストでよく出るので覚えておきましょう。)
飛鳥文化、天平文化は中国など大陸からの影響を受けているのに対し、国風文化になると日本独自の発展をしたことが特徴となっています。
時代 | 特徴 | |
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飛鳥文化 | 7世紀頃(厩戸皇子・聖徳太子の時代) | わが国最初の仏教文化 |
天平文化 | 8世紀はじめ奈良時代(聖武天皇の時代) | 国際色豊かな仏教文化 |
国風文化 | 9世紀の終わり平安時代 | ひらがな・カタカナなど日本独自の発展 |
【問題】 | 【解答】 |
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天平文化は( )中心の仏教文化 | 貴族 |
( )天皇の時代を中心に栄えたのが天平文化 | 聖武 |
全国各地で仏教を広めるとともに橋や道路をつくった人物は? | 行基 |
失明しながらも来日した唐の僧は? | 鑑真 |
東大寺の正倉院は( )造の代表的な建築物です | 校倉 |
天武天皇の指示により作られた2つの歴史書は? | 古事記と日本書紀 |
各地の自然や産物を記した書物は? | 風土記 |
最古の和歌集は? | 万葉集 |
最古の漢詩集は? | 懐風藻 |
鑑真が建てた寺は? | 唐招提寺 |