元禄文化の特徴とまとめ(中学歴史)

元禄文化の特徴とまとめ(中学歴史)

元禄文化「上方中心」

中学の歴史で習う江戸時代の文化は2つ。元禄文化と化政文化です。
今回は元禄文化についての特徴とポイントをまとめています。

 

元禄文化の特徴

元禄文化は、江戸時代の17世紀末から18世紀初めにかけて栄えた文化です。徳川5代将軍綱吉の時代から吉宗が8代将軍になるぐらいまでの期間になります。

 

大阪や京都などの上方が中心で、町人によって支えられていたことが特徴です。人形浄瑠璃の近松門左衛門や浮世草子の井原西鶴などが元禄文化を代表する人物です。

 

元禄文化の作品としては、見返り美人図(菱川師宣)や奥の細道(松尾芭蕉)が有名です。

 

元禄文化の時代背景

元禄年間は1688年から1704年まで。
江戸幕府の将軍は徳川綱吉だった時代です。

 

忠臣蔵として有名な赤穂事件(赤穂浪士の討ち入りのもとになった事件)があったのが元禄14年3月14日 (旧暦) (1701年4月21日)です。

1669年 シャクシャインの戦い
1685年 生類憐みの令
1709年 新井白石の政治(〜1716年)
1716年 享保の改革

 

元禄文化の特徴

  • 上方文化
  • 町人中心
  • 社会をありのままに描く

仏教の影響を受けた文化の場合は来世のことを取り扱ったものが多くなりますが、元禄文化は現世をありのままに描いています。

現世(この世)のことを浮世(うきよ)ともいいます。

町人の暮らしを生き生き描いた浮世草子や義理と人情の板挟みになる男女を描いた人形浄瑠璃などがその代表となっています。

 

元禄文化の代表的作品

作品名 作者 分野
奥の細道 松尾芭蕉 俳諧
野ざらし紀行 松尾芭蕉 紀行文
見返り美人図 菱川師宣 浮世絵
二条城障壁画 狩野探幽 障壁画
風神雷神図屏風 俵屋宗達 装飾画
紅白梅図 尾形光琳 装飾画
源氏物語図屏風(げんじものがたりずびょうぶ) 土佐光起 装飾画
燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ) 尾形光琳 装飾画
八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ) 尾形光琳 美術品
日本永代蔵(にほんえいたいぐら) 井原西鶴 浮世草子
好色一代男(こうしょくいちだいおとこ) 井原西鶴 浮世草子
世間胸算用(せけんむねさんよう) 井原西鶴 浮世草子
曽根崎心中(そねざきしんじゅう) 近松門左衛門 人形浄瑠璃
国性爺合戦(こくせんやかっせん) 近松門左衛門 人形浄瑠璃
心中天網島(しんじゅう てんの あみじま) 近松門左衛門 人形浄瑠璃
冥途の飛脚(めいどのひきゃく) 近松門左衛門 人形浄瑠璃

浮世草子というのは当時の小説の形態のことで、町人物、武家物、好色物などのジャンルがあります。
曽根崎心中は実際に起きた事件を題材としたもので「世話物」と呼ばれます。

 

オススメ関連ページ

元禄文化と化政文化のちがいを確認できる問題を作りました

江戸時代の文化として紛らわしい元禄文化化政文化の違いを一問一答形式で確認できるようにしました。どっちが元禄?どっちが化政?かをチェックしてみてください。

 

元禄文化と化政文化の違いを確認できるリスト
【問題】どっちが元禄文化? 【解答】元禄文化
17世紀末〜18世紀初め or 19世紀初め 17世紀末〜18世紀初め
将軍綱吉の時代 or 将軍家斉の時代 将軍綱吉の時代
享保の改革より前 or 寛政の改革より後 享保の改革より前

 

中学歴史・江戸時代の文化に関する一問一答

問題 解答 覚えておきたいポイント
江戸時代に上方を中心に発達した町人文化は? 元禄文化 元禄文化は上方中心、化政文化は江戸中心。どちらも町人文化
江戸幕府により奨励された「上下関係を重んじる」学問は? 朱子学 「寛政異学の禁」では朱子学以外の学問が禁止された
松尾芭蕉による紀行文は? 奥の細道 俳諧を文学として大成させたのが松尾芭蕉
人形浄瑠璃の脚本「曽根崎心中」を書いた人物は? 近松門左衛門 近松門左衛門は、義理と人情の世界に生きる男女の悲劇をテーマにしている
杉田玄白らが翻訳した人体解剖書は? 解体新書 オランダ語訳の「ターヘル・アナトミア」を日本語に翻訳したのが解体新書